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医王の仁心に救われる

釈迦は、別名「医王」とも呼ばれます。

 

仁心を感じるエピソードが

経典に残されています。

 

 

釈迦はいつも僧院に立ち寄ると

一部屋ずつを見て廻りました。

 

あるとき、

1人の病の比丘が臥せっている

部屋に入りました。

 

「気分はどうか、痛みはあるか?」

 

『世尊、痛みは増すばかりで

どうしようもありません。』

 

「今日は食事はしたのか?」

 

『いいえ世尊、食べておりません。』

 

「では、昨日は食事をしたのか?」

 

『いいえ世尊、しておりません。』

 

「その前は食事をしたのか?」

 

『いいえ世尊、

私は食事ができなくなって

すでに七日経ちます。』

 

「食事があったのに食べられなかったのか、

それとも食事がなくてたべられなかったのか、

どちらか?」

 

『世尊、食事がなくて

どうすることもできません。』

 

「この僧院に比丘はいるのか?」

 

『いいえ世尊、

私の体が汚れ穢れているので

皆ここから出て行ってしまい、

私一人苦しんでいます。

私は孤独です。』

 

「汝、憂い悩むことなかれ。

私はまさに汝の伴たるべし。」

 

そして釈迦は弟子の阿難尊者に

告げられました。

 

「衣を取って来なさい。私が洗おう。」

 

弟子の阿難尊者がそれを聴いて

自分が衣を洗うと申し出て

釈迦が水を注ぐことで衣を洗い

太陽の下に干しました。

 

それから比丘を抱えて

一旦、露地に移して

汚れた布団をすべて綺麗にし

比丘の身体を浴室で洗って

床の上に寝かせました。

 

釈迦は金色で柔軟な御手で

比丘の額をなでました。

 

『痛みはどうか?』

 

「世尊の御手を額に頂いて

諸々の苦しみがことごとく

無くなりました。」

 

釈迦は常にあらゆる人々に

慈悲の心を注ぐことで

自ら率先垂範をする実践の人でした。

 

こうして人に寄り添うことは

大切な実践徳目として2500年という時を越え

教えは仏弟子たちにも受け継がれてきました。

 

日本の帝王学にもその教えは

大切に受け継がれた歴史あり

光明皇后もその教えを実践されたうちの

おひとりです。

 

光明皇后は

奈良時代に生きた聖武天皇の后であり

大変美しく光り輝くようであったので

「光明」の名で呼ばれたと伝えられています。

 

光明皇后は、法相宗の大本山である

興福寺を建立した藤原不比等の娘です。

 

早くから仏教に帰依し聖武天皇に進言して

全国に国分寺、国分尼寺を建立したとも

言われています。

 

苦しむ民衆を何とか助けたいと願い

私財をなげうって建立したのが

「施薬院(せやくいん)」です。

 

民衆の心と身体を癒すために

浴場が設けられており

皇后は周囲の制止を顧みず

 

「千人の垢を落とすのです。」

 

と、誓願を立てて自ら直接、

病人の看病にあたりました。

 

999人までお世話をすると

あと一人というところで

酷い重病人が現れました。

 

その患者は全身が

血や膿でただれており悪臭の漂う

患者でした。

 

患者には治療法がなく

身体がただれていくばかりの

最も忌み嫌われる伝染病でした。

 

皇后はいつもと同じように

その病人を浴室に入れて介抱し

背中を流そうとしました。

 

『私は長らく

この病に苦しんでいますが生涯、

この病気は治らないように思います。

しかしある優れた医者から聞く話では

この膿を誰かの口で吸って取ってもらえば

必ず全治すると云われました。

しかし今の世の中でそのような慈悲心を

持っておられる人など一人もおりません・・』

 

それを聴いた皇后は、

 

「可哀想に・・

同じ人間でありながら

このような重い病気に苦しんでいるのですね。

今、私がこの病を治してやらなければ

他に誰もこの人を哀れみ助けられる者はいない。」

 

そしてその病人の全身の膿を

丁寧に丁寧に愛おしむように

ご自分の口で吸いだしてしまいました。

 

その時、病人は

たちまちその全身から光明を放ち

 

『皇后、今、

阿閦佛(あしゅくぶつ)の垢を去る』

 

病人に変化していた御仏は

そう云うと、その場を去りました。

 

皇后はこの奇瑞(きずい)を

後世に伝えるべく現在の奈良市に

「阿閦寺」を建立したと伝えられています。

 

仏心とは、大慈悲である

「無縁の慈」を以って衆生を救う

 

「無縁の慈」とは、

相手に関わらず一切のものに

平等に起こす慈悲のことをいいます。

 

医王と呼ばれた釈迦は

こう説いています。

 

佛のたまわく。

今より以後、まさに病人を看るべし

人もし我を供養せんと欲せば、

まず病人を供養すべし

 

生きとし生けるもの全てが生かし合い

互いに助け合って生きられる今を大切に

目指していきたいと改めて思いました。

 

大切なことはいつだってシンプル。

どうぞ今をたいせつに。

 

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